「お前に知る権利はない」



「お前がそんなこと決めれんのかよ…」



「雪が…もし雪が俺から離れて
お前を選んだら…。
その時は雪から聞けよ。
けど、今雪を守るのは俺なんだ」



俺は少しずつ手をゆるめた。



「それに…雪がお前に話さないってことは
お前には教えたくないってことだろ」



「…」



「だからあきらめろ。ごちそうさま」



「…俺は、雪が好きだ」



皿を片付けた俺は高嶋の話に
耳をかたむけた。



「雪は美人だよ。頭もいいし
運動神経だっていい。
完璧な女の子だよ。
誰でも雪に惚れるだろ」



「そんなのじゃ本当に雪が好きとは…」



「でも、雪以外にきれいな子なんて
俺…今まで何人も見てきた」



「…それが?」



「だから…今さら雪のことを美人だから
好きってことは…。
俺の中では違うんだ」



「…あの…何言ってるか
さっぱり分からないんだけど…」



「つまり!!…俺は…
雪じゃないとだめなんだ」



「…」