「ん?あぁ。これ?そうねぇ…。
16年前ぐらい前のSevenかな?」
「16年?」
のぞきこむと確かにファッションも
カメラの撮り方も全て古かった。
「そう。私が小1の時に
ママが読んでて…。
その時初めてSevenにであったの」
「小1…」
「うん。初めて見たときは感動した。
雑誌の中でいろんな服着て、
いろんなポーズ撮ってるモデル。
あこがれてあこがれて…。
それでモデルになろうって」
雑誌から目をはなして俺に笑いかける。
「その中でもね?知ってる?この人」
そういいながら雑誌を閉じて、
表紙を指さした。
「えっ…」
その表紙には1人の女性がうつってた。
古い雑誌なのに黒いバックに
メタリックのワンピースを着て
まっすぐ前を見つめてる。
笑ってなく、口も閉じ、ただ
呆然と突っ立ってる。
けど…この瞳。
「…すごいでしょ?
ただ立ってるだけなのに、オーラがある。
今にもすいこまれそうな瞳。
あたし…この人にあこがれて
モデルになろうって決めたの」
「この人は?」



