そう言って弁当を机の上に持っていった。
「じゃあ…いただきます」
「どうぞどうぞ」
その子はソファーからおりて
フォークとナイフを手に取った。
俺はそれを確認して弁当のふたをあけた。
そしてご飯を口に運ぼうとしたとき
その子がフォークとナイフを
机に置いたんだ。
「…食わないの?」
「あっ…ううん。いただきます」
そう言って器ごと持ち上げて
スープを一口飲んだ。
俺もそれをみて弁当を再び食べ始めた。
「…ぐすっ」
聞こえた鼻をすする音に顔を上げると
その子は泣いてた。
「どした!!まずかったか!?」
「違う…」
「あっ…やっぱり冷めたのじゃ
上手くない…か?今温めてやるから…」
「違うのっ!」
スープに手が伸びた俺の手を
冷たい手が止めた。
「違う…」



