あれ…。
いつのまにか終わってる。
「光輝。今日はいつもより
動きがよかったぞ!
いつもこれぐらい働いてくれればな」
そう言って俺の背中を叩いて
歩いていった渡部さん。
え?
俺…記憶がない。
ずっと…。
ずっと雪のこと考えてた。
「光輝」
「はい…あっ。香奈さん」
「答えだしたの?」
「答え…」
「雪ちゃんのこと…って、
その顔じゃだめだったみたいね」
だめ…どころじゃない。
最低なことをした。
「今日の光輝変だよ?」
「え…」
「周りのみんなは騙せても
あたしの目は騙せないからね?
ずっとぼーっとして…、
何か考えてる時の光輝は
なぜかてきぱき仕事するんだよ。
今まで面倒見てきたあたしが
言うんだから間違いない」



