「今日の夜もう1回考えてみな?
まだデートを止めさせるのには
間に合うんだから、
雪ちゃんのこと考えてみなさい!」
そう言って香奈さんは楽屋を出て行った。
「…そんなこと言われても」
考えるって?
何を考えればいい?
俺は雪のこと好きなのか?
嫌いではない。
でも…。
今日1日考えたけどまだ分からない。
実際、今一緒の家にいても
どきどきしない。
ただ…暖かい。
家族みたいな。
家族?
「そっか…家族か」
「え?光輝なんか言ったー?」
キッチンから俺の方を見て聞いてきた。
「え?いや、なんでも…」



