初恋の女の子。
あれだけ愛した女の子。
結婚も考えた女の子。
「…けど、瞳にふられた傷は
雪のおかげで癒された…
それは確かなんですけど…。
それが好きにつながるかどうか。
年だって離れてるし…。」
「はぁ…あんたも面倒くさいわね。
言わないようにしてたけど全部話す」
「…何をですか?」
「あんた達があたしの家に
泊まってたときがあったでしょ?
その初日の日よ。
あたしが雪ちゃんを病院に
連れて行った日」
「はい…」
「あの時にね。
なんで光輝に助けを求めたの?
って聞いたら初恋の男の子に雰囲気が
似てるからだって」
「初恋…って」
「なんだっけ…福井丈?
雪ちゃんが中3の時に雪ちゃんの
目の前で亡くなった男の子」
そういえば…園長先生が言ってたな。
似てる?
俺がそいつに?
「好きだった男の子だし…。
あんなことがあった後でしょ?
それで光輝に惹かれてたらしいの。



