俺達の周りには取り囲むように
ガードがついてるし…。
けど、ガードのまわりには
香奈さん目当てに集まった野次馬。
大きな人のかたまりが
高校の玄関に向かってる。
ばれないほうがおかしいだろ…。
「このスリッパ汚いわね~」
保護者用のスリッパを手にとって
文句を言ってる香奈さん。
「文句言わないでくださいよ。
ここは香奈さんが通ってた
セレブ学校じゃないんですから」
「こんな汚い学校に雪ちゃんを
通わせたくないわね…。
そうだ!今からでも遅くない!
あたしの通ってた学校に転校しない?」
「だめです。
あそこ入学金だけでも100万する
じゃないですか!
授業料だって半端ないし」
「そんなのあたしが出して
あげるから!ね?」
「だめです。ほら、行きますよ。
ただでさえ目立ってるんですから
さっさと行動してください!」
「はぁ…鬼」
ぶつぶつ文句を言いながらも
俺についてくる香奈さん。
けど、体育館のいすを見てまた文句。
「あぁ~。ここも汚い。
何~?ほこりかぶってる…」
そう言いながらはんかちを置く香奈さん。



