寒いのか少し赤くなった頬。 長いまつげ。 すいこまれそうなほどきれいな瞳。 けどその瞳からは大粒の涙が流れてた。 なんだ…この子。 俺と目があった瞬間震える手で 涙を拭いたその子。 「あんた…ここで何してんの?」 何も言わず女の子はうつむいた。 「名前は?」 「…」 「家は?親は?」 「…」 「何歳?」 「…」 「なんでここにいるんだよ…」 何も答えずただ俺を見つめてる。 「…何も言わないならもう 知らないからなっ。じゃあ」 そう言って路地から出ようとした時。 「…くしゅんっ」