話そう。 うん。 そう決めるとちょっと元気になり 鍵を拾った時だった。 がさっ 「ん?」 なんか今音した…。 なんかいるのか? 通路の奥をみると誰かいる。 誰だ? おそるおそる近づいてみた。 若い…20…いやもっと高校生? それぐらい若い女の子が しゃがみこんでる。 なんでこんなとこに? 顔はうつむいてて見えないけど 髪は肩より長い。 かすかに聞こえる鼻をすする音。 …泣いてる? 「…おい」 そう声をかけた瞬間 びくっとして顔をあげた。 薄い唇。