私が事故にあったとき、
必死で私の名前を叫んでいた、

私が助けた女の子だった。

「あぁ、汐夏ちゃん!汐夏ちゃん!」

彼女は涙を浮かべながら
駆け寄ってきた

「…紫萌(しほ)…」

紫萌はクラスメイトであったが
あまり関わったことが無かった。

グループも違ったし、
いつも1人で過ごしていたから。

紫萌の肩まである髪が揺れた

「ごめんなさい、ごめんなさい…」

紫萌はその場に尻もちをつき、
涙を流した

「今更…、もういいよ…」

私は俯いた