「え…、あ、うん…そうだね…」

すると、紫萌の瞳から
ポロポロと涙が零れてきた

「あ、ごめん…、泣き虫で…」

私はううん、と言った

「凄いね、紫萌は。
今まで全力で生きてきたんだね」

「汐夏ちゃん…」

私はぎゅっと目を瞑った

「私もね、そんな人になりたかった
良い人に…なりたかったんだよ」

偽善なんかじゃなくて…

心の底から人の幸せを願える人に。

「ごめんね、ごめんね、紫萌
私、後悔しちゃったの…」

やっぱり、やっぱりね…

「生きたかった…」

涙がどんどん溢れてきた、

それは紫萌も同じだった