そんな希望とは裏腹に、

私の心はボロボロになっていった。


?「・・・瀬菜?」

私の名を呼んだのは、

当時私の心の支えだった〝青野隼人〟だ。


「はや・・・と、」

隼「どうしたの、辛そうな顔してるけど」


隼人は、

ある大手メーカーの社長の息子だった。

頭脳明晰で礼儀正しく、

周りの大人からの期待も高い。

そして、人一倍優しさや、思いやりが強い彼は、

その頃から、人気者だった。


隼「何か辛いことがあった?

話したら楽になるって母さん言ってたよ」


そう言って優しい笑みで

私を包んでくれる。


隼人になら・・・話して、いいよね、

その頃私は知らなかったんだ。

これが〝どういう事〟を示すのか。


「あのね・・・」

私が話していくに連れて、

隼人の顔が強ばっていくのが分かった。


全てを話し終えた時、

隼「・・・宮本を呼ぶよ、少し待ってて」


宮本とは、隼人の執事さんのことだ。

隼人はそう言って、

執事さんを呼びに行った。