そして翌日、事件は起きた。


それは放課後、家へ帰る途中だった。


(やっぱり田舎は暗いなぁ…)


乃木がふと空を見上げると、空は美しい満月に照らされていた。


(そうか、今日満月なんだ!)


そして、鯨藤先輩と会った十字路にまでくると、何処からか声なのか声で無いのかよく分からないものが聞こえてきた。


「…… ……、 … …」


「……、♪…… ♪… …♪」


それは歌だった。