人恋しい時期だもんな、わかる。 お邪魔虫は退散するのが一番いい。 ズボンのポケットに突っ込んだ手は思ったよりも冷えていて、自然と肩が上がった。 「うぅ…さみぃ…」 廊下にこぼれ落ちた言葉は凍りついて、そのまま反響することはなかった。 家、帰んなきゃだめか…。 「あれ、不良少年じゃん」 歩幅が小さくなってきたころ、後ろからかけられた声。 凛としていて、けれど少し細い声。 「あー、あんた確か…」 「川橋です。どしたの? 居残り勉強?」 「んわなけねーだろ。」 「じゃあ何?」