手下が全員倒れてしまい逃げ切れないと思った
盗賊のお頭は、剣を振りかざし陛下に
攻撃をしようとしてきた。危ない!!

「ルチア様!?」

「心配をするな」

私が庇おうとしたが陛下は、怯むことなく
剣で受け止めた。ガチガチッと音を立てていた。
そして弾き返すと国王陛下は、お頭を切りつけた。
盗賊のお頭は、そのまま切られ倒れ込んでしまった。

「もう一度言う。お前らを仕向けた者は、
どんな奴だ?」

国王陛下は、剣を向けながら問いただした。
見たこともない冷酷な表情で。

「くっ……知らねぇ~な。
俺らは、盗賊だ。金のために決まっているだろう」

盗賊のお頭は、吐き捨てるようにそう言ってきた。
本当にお金ためだろうか?陛下の命まで狙って……。
すると遠くの方から国王陛下の名を呼ぶ声が
聞こえてきた。あの声は、ジョンだわ!?

どうやら言っていた通りに
街の人達がお城に伝えてくれたようだった。
陛下は、ふぅっ……とため息を吐くと剣をしまった。

「質問の続きは、お城に戻ってからだ。
ジョンから、たっぷりと吐くがいい……」

その後、ジョン達が助けに来てくれて
無事にお城に戻ることが出来た。
もちろん、ジョンにこっぴどく叱られたが……。
そして陛下を狙った盗賊達は、たっぷりと
ジョンの手から拷問を受けて吐かせた。

「何度も取り調べてやっと吐かせましたが
どうやらイージス大国が依頼したようですね」

「イージス王国!?」

私は、驚きを隠せなかった。
イージス王国と我々ギルス王国は、昔から争ってきた。
何ども戦争をしてきたが最近は、
大人しくなっていたはずだった。なのに
まだ諦めていなかったのか!?