ひとりでいる方が好きなタイプに見えているんだろうな。
ひとりでいる方が好きなわけじゃない。
いっそのこと、そうなれた方が楽かもしれないけれど、私はそうじゃない。
つまんなくてかわいげない自分に引け目を感じて「入れて?」って言えないまま、ただ指をくわえて眺めているだけで。
寂しさを勝手に心に降り積もらせているだけで。
ほんと、正反対。
もぐもぐと咀嚼しながら、いつの間にか上林さんを含む女の子の輪っかの中心にいた深見くんの様子をちらり、伺う。
きらきら、キラキラ、眩しい。
離れているくらいがやっぱり、ちょうどいいのかもしれない。
近づきすぎると、あのキラキラはトゲになって、私にぐさぐさ刺さってしまいそうだもん。
それはなにも、深見くんに限ったことではなくて、この場にいる私以外のみんながそう。
キラキラしていて眩しくて、私だけが違くて。
そうだよね、って諦めにも似た感情が心にすんなり落ちてきた。
「恭介くん、これあげる」
ふいに、上林さんが黒い缶を深見くんに差し出すのが見えた。



