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𓐍
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「恭介この後ヒマ? みんなでファミレス行かねー?ってなってんだけど、お前も来ない?」
終業のチャイムに重ねて、隣の近衛くんが深見くんに声をかける。
本当に仲良いんだな。
「あー……、俺はパス」
「ちぇー。お前が来ないと、女の子が帰っちゃって士気下がんだけど」
「知るかよ。俺のせいにすんな」
「美沙ちゃんも来ないだろうし。あ、そーだ。最近、恭介が顔出さないのなんで? って美沙ちゃんけっこーしぶといんだけど、なんて返しとくべき?」
「テキトーに言っといて」
「はいはい、テキトーね」
肩をすくめた近衛くんは荷物をまとめて、教室を出て行く。
誘いを断った、ってことは今日は他に用事があるのかな。
深見くんをちらりと見上げると、ぱちりと目が合った。



