「……?」
「いい意味でも悪い意味でも誰に対しても平等な恭介が、明らかに杏奈ちゃんだけ特別扱いしてるから。珍しいっつーか……そういう恭介、初めて見る」
近衛くんが断言したってことは、深見くんが『女に一切興味持たない』のは、きっと本当のこと。
誰にも本気にならないのが本当なら、私は “特別扱い” というよりは、それこそ、からかわれているだけなんじゃ……。
「面白いから、俺は大歓迎だけど。あ、でも、困ってんだよな」
「……困ってる?」
「そう。恭介、最近付き合い悪いんだよね。放課後、飯とかカラオケとか……ま、実質合コンなんだけど。誘っても来なくなっちゃって、つまんねーなって」
それを私に言ってどうするんだ、と困惑していると、近衛くんは、ははは、と笑って。
「杏奈ちゃん、責任とってよ」
「……はい?」



