「同じ学校のやつには、バレたくなかったのになー……」
「……?」
「なんか……こう、恥ずいじゃん。別に嫌々やってるわけでもないし、なんなら自分からやってることだけどさー……、親の店手伝ってるとか、なんか……。あとこんな恥ずい格好してるし。穴があったら入りたいんだけど、マジで」
たしかに、イメージとは違うかもしれない。
王子様みたいなルックスで、キラキラした男の子や女の子にいつも囲まれていて、真偽はともあれ遊び人のイメージがついていて、そのせいか言動もチャラく見えて。
週末は家のお手伝いをしている、なんて風には見えない。
でも、それはいい意味のギャップ。
元から優しいひとだとは思っていたけれど、ますますイメージが変わった。
たぶん……、整った顔立ちをしているからそう思われがちなだけで、みんなが思っているほど、深見くんはチャラくはないんだろうな。
掴みどころがないのは、本当だけどね。
それと、深見くんは恥ずかしがっているけれど、作務衣姿については何を恥ずかしがる必要があるのか少しもわからないほど格好いい。
でも、それを口に出して本人に言える素直さは、私にはなかった。
「ま、森下には知られてもいいか」
「へ……?」
「週末、俺がここで働いてるってこと」



