ぱくぱくとまた口に運んでいる姿を見ていると、なんだか申し訳なくなってきた。
「ごめん、こんな……節約メニューで」
「節約?」
「本当は、こう……なんかもっとハンバーグとかなんとか、出せたらよかったんだけど」
「え、なんで?」
深見くんはしぱしぱと瞬きをして。
「俺、これすげえ好き。美味い。逆に、人の家でこんな贅沢に手料理食わせてもらっていいのかって申し訳なく感じ始めてたんだけど」
おいしいおいしい、とひと口ごとに褒められて。
だんだん恥ずかしくなってくる。こんなの褒め殺しだ。ほんとうに大したことないのに……。
「なんでこんな美味いもん作れんの?」
頬があつくなってくる、もうこれ以上褒めないでほしい。
沸騰しそう。
「ふ、普通だよ……全然」
「いや、すげえよ。俺、感動してるもん、今。俺、料理できないから」
「絶対そんなことないっ、深見くんはなんでも器用にこなせるでしょっ」
「はは、なんでそう思うんだよ」



