基準値きみのキングダム



キッチンに戻って、深見くんの空になったお皿に料理を盛る。

どれくらい盛ればいいんだろう。ありえないくらい、って言ってたから山盛り……? でも。



「……あの、深見くん」

「うんー?」

「こんなに食べて、おうちの夕ごはんは大丈夫なの?」

「はは、余裕」

「ほんと?」

「だから、男子高校生の胃袋はそーいうもんなんだって」



深見くんがそう言うのなら、そうなのかもしれない。

ということは、奈央も高校生になったらそうなるんだろうか。食費のことを考えると、ちょっと怖くなってきた。



「どうぞ」



おかわりの分を差し出すと、さっきとまったく同じメニューなのに、深見くんはキラキラと目を輝かせる。