基準値きみのキングダム



𓐍
𓈒





「いただきまーす!」




食卓に並ぶ、梅とじゃこの混ぜごはん、豚汁、それからタレがたっぷりかかったつくね。


杏奈はこれが当たり前のような顔をして出しているけど、毎度、すごいなと思う。


なのに、当の本人はまったく自信ないらしい。




「杏ちゃん、今日もおいしーねっ。京香これすきーっ!」

「美味い」

「ほんとっ?」




京香と俺の反応に、ようやくほっとしたように表情をゆるめる。


本当言うと、ここではじめて手料理を食わせてもらったときから、がっつり胃袋まで掴まれてるんだけど、杏奈自身はその自覚はないらしい。




「姉ちゃん、おかわりある?」

「もちろん。入れてくるね」