「俺、お前と違って、2月のアタマに入試終わってんの。暇で暇で死にそーだったわけ。いい加減構ってくんないと、俺、死んじゃう。てか、未読無視は傷つくんですけどー、なあ杏奈ちゃん」
とつぜん話をふられて、焦る。
でも、考えてもぴんとこなかった。
だって、恭介、メッセージの返事は早い方だと思う。私が送ったときには、いつも数分で……。
そんな私の様子に近衛くんは「あー、なるほど」と、呆れたような顔をした。
「相変わらず、ゾッコンなのな。げー、ラブラブカップルにあてられて胸焼けしそうだから、俺帰るわ」
「なんか買っていけよ」
「はいはい。木綿豆腐1丁」
ショーウィンドウから木綿豆腐を取り出して、袋に入れて、近衛くんに渡す。お金を受け取って、レジに打ち込んで、お釣りを渡す。
一連の流れも、板についてきた。



