基準値きみのキングダム




「ポイントカードはお持ちですか?」

「あ、はい、お願いします」


「ありがとうございます。お返しは72円になります」




レジでのお会計を終えて、サッカー台のところでエコバッグに買った品々をつめていく。


ちなみに、エコバッグは鞄のなかに常備している。


たとえビニール袋の3円や5円でも、ちりも積もれば山となるので、これは大切なことなのだ。




う……。

卵と牛乳だけのはずが、なんだかんだストック用の野菜とか調味料とかいろいろと買ってしまった。





「杏ちゃん、だいじょうぶ?」

「大丈夫だよ!これくらいへーき!」




ぱんぱんになったエコバッグを提げた私を気づかってくれた京香にとっさにそう答えてしまったけれど……うーん、これは。



そうとう重い。

持てないこともないけれど、肩がミシミシいっている。



ううう、と心のなかで悲鳴を上げながら、自動ドアから外に出ようとすると。





「森下」

「へ……っ?」


「荷物やば。持つよ」