基準値きみのキングダム


𓐍
𓈒



そのあとの授業は全く集中できず。


欠席した分、今日から頑張って取り戻さなきゃって思っていたはずなのに、先生の話している内容は右から左へ流れて頭に入ってこない。


気づけば、終礼が始まっていた。




「えー、連絡事項としては……深見、それから森下」




担任の原田先生に名指しされる。

ぴくっと反応して、顔を上げると。




「このあと採寸するから家庭科室に来てほしいんだと。服飾部から」



う……っ。

今、その話題はやめてほしかった。



ただでさえ、ファッションショーのことで頭がいっぱいなのに。




はあ……と人知れずこぼした重いため息に、放課後が始まるチャイムの音が重なる。



クラスメイトたちが、部活や帰宅のために慌ただしく教室を出て行くなか、ぐでーんとうなだれていると。