誰も出たがらない原因は明らかだった。
それは、上林さんの存在。
男女、誰が見てもめちゃくちゃにかわいい上林さんが、7組の代表に選ばれないはずがなく、それがわかっているから、みんな避けたいのだ。
当日、上林さんの横に並ぶことになるって想像すると、ゾッとするから。
比べられるって目に見えている舞台になんて出たくないし、そんなところに他の女の子を立たせるのも気が引けて推薦できるわけもないし────と完全なる膠着状態に。
見かねた中辻くんが「ごほん」と咳払いする。
「じゃあ、いっそのことくじ引きで決めるか」
えっ、とみんな狐につままれたような顔になる。
でも、このままじゃ埒が明かないし、みんな公平になる決め方はもうこれしかないということで、結局くじを引くことになった。
中辻くんが即興で作った箱の中から、女の子が順番に小さな紙きれを引いていく。



