とはいえ、当然といえば当然。
発言したのは近衛くんだったけれど、適任は深見くんしかいないって誰もが思っていたはずだよ。
誰もが、っていうのは、クラスメイトだけじゃない。
きっと他のクラスのひとたちも深見くんが出るって期待しているし、確信もしていると思う。
じゃなかったら、深見くんを差しおいて一体誰が? って逆に注目を浴びちゃうかも。
深見くんって、それくらいの存在なの。
「で、女子の方は? 推薦ない?」
ハッとする。
半ばシード枠だった深見くんとは違って、女の子の方はそうは簡単に決まらない。
女の子たちは困ったように顔を見合わせて、ひそひそと吐露しはじめる。
「さすがに……、無理だよね」
「だって7組からは、どうせ美沙が出るでしょ」
「美沙ちゃんの隣に並ぶのはしんどいものがあるというか」



