ほっぺを膨らませて、『怒ってる！』と言いたげな顔をする彼女、斎藤梨音。




正直、全然怖くない。




むしろ可愛いくらい。





でもそう思ってるのを悟られたくなくて、いつものように軽口を叩いていると、担任が、





「なんだお前ら、仲良かったのか？」





と聞いてきた。クラスメイトも興味津々。





梨音は、「同じ塾の人です。頭良くて、いつもテストで争っているんですよ。」





と、担任に返す。




担任は納得の表情を浮かべ、これからあるらしい入学式準備についての話を始めた。





担任の話を聞きつつ、隣の席をちらりと見る。




梨音は真面目な顔をして、担任の話を聞いていた。