同じ塾の、違う高校の

でも、そのおかげで彼女の目に写ることができたらしい。




席替えをして隣になった時、こっちを見て、




「負けないからね!」




と、にっこり笑いながら言われた。




心臓が飛び出しそうになるほど鳴ったのは、言うまでもない。




それからは、いつも争っていた。





どっちが点数が良かったか、どの問題が難しかったか、などなど。





たまに、俺が分からない問題を教えて貰ったり、俺が彼女に教えたりした。





彼女は、教師になれるんじゃないかって思うほど、教えるのが上手い。





さすがにそれは恥ずかしくて言えなかったけど。






でも、そのおかげで、俺たちの距離が縮まったのは確かだった。