合格発表の日。




俺は、1人で見に行った。




時間になって、合格者の番号が張り出された。




俺は、受かっていた。




嬉しくて、会場にいるはずの梨音を探した。





お互いに受かったら、この気持ちを伝えようと決めていたから。







梨音は、端の方にいた。






大きな目を見開いて、信じられないような顔をしていた。






その後、大粒の涙が目から溢れてきて、一緒にいた梨音の母親に抱きついて泣き出した。






俺は、梨音が受かったんだと思った。






でも違った。







「梨音、あなたは頑張った。本命じゃなくても勉強はできる。これまでの努力は無駄にはならないよ。」




















梨音は、受験に失敗したんだ。

















この日、俺は、この想いに蓋をすることにした。