こいつらといる数年より あいつといた一瞬が 輝いているのはなぜだろう

 結局、言えなかったなぁ。
「遠いところへいく」って。
 何も知らないあいつは僕が居なくなることに気づいているだろうか?
 自分から離れようとしてるのに、やっぱり寂しくて、好きだって言いたくて、立ち止まって、言葉を飲み込む。別れの言葉も、本当の気持ちも言えずにあいつから離れて、少しほっとしている自分がいる。
 でもやっぱりいつまでもそばにいたいって思ってる。隣にいたのは一年だけで、残りの四年は遠距離だったけど。
 あいつとの「変わらない日々」を求めたのは僕自身なのにそれを変えてしまったのも僕自身だ。
 「一緒にいる」か「離れる」のか。離れるという選択をしたのはあいつのため。…そう思っていたけれど、結局は自分のためだ。傷つく前に離れただけ。離れるタイミングが少し早まっただけだ。
 それなのに、どうしてこんなにも…こんなに、傷ついているんだろう。寂しいんだろう。あいつの隣に居たいだなんて思っているんだ。
 僕の選択は間違えなのか?
 まだ、隣にいたかった。
 …もう、忘れてしまおう。あいつのことなんて、もういいんだ。終わった恋を引きずるより、次へ進むべきだ。
 清々しいほどの青空が僕の背中を後押しした。
「じゃあな、楽しかった」

 僕の身体は宙を舞う。