こいつらといる数年より あいつといた一瞬が 輝いているのはなぜだろう

 気づいたら家にいて、部屋に閉じこもって泣いていた。期待しないと決めていたはずなのに、心のどこかで期待していた。あいつに求められることを秘かに望んでいたのだろう。
だから、彼の反応にショックを受けた。突き放された感覚がした。
…実際突き放してしまったのは僕の方だけど。
「お前となんか出会いたくなかった」なんて、思っていない。出会わなければよかったと思う時はあるけれど、出会いたくなかったと願ったことはない。
こんなに変な矛盾を抱えるのはきっと僕だけだ。
 突き放したことに後悔しかなくて、顔が見れなくて、逃げ出した。突き放すくらいなら告白すればよかった。
ことが終わってからあれこれ悔やむこの癖はこんな時までも出てくるのか。
 とまらない涙と嗚咽。これと一緒にあいつとの思い出もだしきって忘れ去りたい。忘れることが出来るのはどんなに幸せか。
 互いに何もかもを忘れて赤の他人になって、もう会わない。
 それはどんなに苦しくなくて、幸せで、虚しいだろうか。全てを忘れても、きっと、何かが引っかかるだろう。寂しいんだろうな。忘れられることが。

 もう、戻らない。