クズの間に生まれた子どもはクズなのか？

母は私のことに興味がないので、誰と付き合おうと結婚しようと知らん顔だろう。しかし、兄は父の言いなりになって五十鈴くんを脅しかねない。妹は男好きだから、五十鈴くんを奪おうとするだろう。

全て、黙っておいた方がいいのだ。五十鈴くんと甘い未来を作っていくためには……。

家のことをしなければならないので、デートはできない。その代わり、図書室で二人きりになって話をした。

恋人つなぎも、ハグも、キスも、全部図書室でした。二人きりの甘い時間。五十鈴くんと過ごしている時が一番幸せで、心地いい。

やがて高校を卒業し、私は他県の名門の大学に、五十鈴くんも私と同じ県の国公立の大学に入学した。通う大学は違うけど、一緒の県に行ける。親の目がないところに行ける。それが嬉しかった。

「よかったら、一緒に住まない？同棲ってことで」

五十鈴くんにそう言われ、私はすぐに「嬉しいわ！」と返事をする。親には友達とルームシェアをすると言い、やっと家を出ることに成功した。