クズの間に生まれた子どもはクズなのか?

こんなこと、お互いを想いあって結婚した人から見れば許されないことかもしれない。

でも、私ばかり我慢だなんてずるいと思った。だって私は知ってる。将吾が私の妹とデキていることを。将吾がそんなことをしているのなら、私だっていいでしょ?

私は五十鈴くんの背中に腕を回し、「好き」とささやいた。



偽りの結婚生活(本当は結婚していないけど)が始まって三年が経った。五十鈴くんとの関係がなかったら、きっと今ごろ発狂していたかもしれない。

家の中で私たちの会話はない。行為をすることもなく、キスをしたことも結婚式の時くらいかな。他の男とキスをするなんて、死ぬほど嫌だったけど……。

いつ五十鈴くんと駆け落ちしよう。そろそろだよね、と二人で何度も話しているんだけど。

「なあ」

その日、夕食を食べ終えた後、将吾が珍しく私に話しかけてきた。こんなこと滅多にない。

「何?」

「そろそろ子どもを作らないか?母さんが「孫の顔が見たい」と言っているし……」