「分かりました。俺もそういうの偏見ないし。てか、むしろ弟が腐男子でいろいろ知ってます。」

『ええ!?そうなの!?』

やばい、腐男子の存在価値に今気づきました!

嬉しすぎるわ、なんか!

「はい。なんで、大丈夫ですよ。」

なんだよ、寺島良い奴かよ。

『寺島くんも女の子苦手なんだし、無理に私に接してくれなくても大丈夫だよ?』

「いや、なんか高梨さんは女子特有のものがないっていうか、そういう苦手オーラ感じないし、そんな気を使わないでください。」

そうか、腐女子と告白してる分、私は女子のキラキラオーラからは少し遠ざかっているのかもしれないな…

『わかりました!ていうか、あの、多分寺島くん大卒で入社して2年目でしょ?だから同期だと思うんだよね。』

「あ、そうですね。高梨さんもですか?」

『あー、私は高卒だけどね!でも、同期仲間なんだし、タメ口で話さない?』

「わかりました。あ、わかったよ。ありがとう」

ニコッと微笑まれてしまった。

なんて警戒心のない笑みなんだ。

これを歓迎会にこれなかった女性社員に見せようものならイチコロだ。

『いえいえ。こちらこそ!秘密を共有した仲間とも言えるし』

(カラオケ部屋漏れる課長の声が聞こえてきた)
課「あれー?主役がいないぞー???」

『あ、そろそろ戻らないと、課長が探しに来ちゃうよ!』

「あー、あの課長いい人なんですけど話長いんですよね。」

『あはは、分かるよ。社内では有名だからね』

「あ、やっぱり?」

なんとなく、距離感が一気に狭まった気がする。
お互いに秘密を共有した仲だから楽なのかもしれない。