あれから3日
「あー、寺島さん全然事務所来ないねー」
女子たちが嘆いていた。
あの挨拶の日以来、寺島 環は会議室やら接待やらと外出メインなんだとか
『しかたないよー、私ら事務じゃん?』
なーにが、しかたないんだ。
来ないなら来ない方がいいじゃんか。
あんな理不尽なやつ!
あんな睨みやがって!!!
ちょっと、チビったんだぞ!(嘘)
「高梨さんも寺島さん狙いですかー?」
事務の女の子は皆、寺島 環狙いなんだろう。
興味津々に女の子たちが私の方を向いてきた。
『いや、ない。私好きな人いるし。』
「えー!そうなんですね!」
みんながほっとしている。
好きな人いるなんて変に敵意出されても面倒くさいからついた嘘。
出会いもなければ恋愛対象すらいねーよ。
ガチャッ
さささっ!
ドアが開く音がすると女性陣が一斉に注目する。
そ、寺島じゃないのかなって期待を込めてね
「おはようー!」
案の定、ハゲ課長だったけど
「「おはようございます。」」
みんな一斉に挨拶を返す。
「今日は寺島くんの歓迎会をするからねー。」
「えー!今日ですかー?」「今日とか決算とかあるじゃんかよー」「残業日なのに…」
みんながみんな文句を垂れる。
そりゃそうだ、月末は1番忙しい日なのだ。
ま、私の担当は月初が忙しいのだから関係はないが、行くのがだるいので断りを…
「じゃあ、月末忙しい組は不参加にして、高梨と畑中は月初の調整だから大丈夫だよな!」
くっそーーーー、ハゲ課長なんでそこは知ってるねーん!
『は、はい…』
「分かりました。高梨さんと待ち合わせて行きますね。」
畑中係長もくっそという顔をしている。
あー、係長も家庭があるのに大変だ。
「じゃあ、場所は畑中に教えとくな!じゃあ、参加者は俺と畑中と高梨、それから〜」
結局、その他4人外回り担当の男性と、私たちの計7人プラス主役1人での歓迎会となったようだ。

