恋愛漫画に憧れちゃダメですか?


涙が自然と流れていく。

こんなに弱くないはずなのに

こんなに泣き虫じゃないはずなのに

こんなに辛くないはずなのに



環くんの優しさが、


環くんの一言が、


環くんの行動が、



私の本音を暴いていくみたいだ。

『…ん、ぅ、……ありがとう。もう、、大丈夫』

涙を手で拭って、瞬きを何回か繰り返し目を乾かす。

「ほんとに?」

『うん。』

「…。いつからなの?」

環くんはなんでわかってしまうんだろう

『今日が初めてだよ…』

嘘をつく。つきたくはない。でも、心配もさせたくない。大丈夫、大丈夫だよ。

まるで自分に言い聞かせてるみたいに。




「嘘だよ。ちゃんと教えて。じゃないと、もっと心配になる」




環くんはわたしの本音(こころ)を見抜いたように言った。



『…ごめん。本当は初日からなの。』



「…なんで、俺に言わないの」



怒ってはいないけど、優しいんだけど、イラついてるような言い方だった。


『迷惑かけちゃ』

「迷惑なんかじゃないよ。」

環くんは私の方を向いた

「いい?千鶴ちゃん。俺は千鶴ちゃんが辛い思いしてるのに頼られないのは嫌だよ。」

『…。』

「千鶴ちゃんが、1人で辛い気持ちを抱えるのは違うよ。」


環くんは、なんでそこまで…


『…うん。ごめんなさい』


わかればいいの。って頭をポンポンとしてくれた。


『でも、なんでそこまでしてくれるの?』


疑問に思ったことが自然と口に出る


「…わかんない?」


そう言って、上目遣いをする環くん


『…うん。』


「…好きだから」



そっか…




好きだから…すきだか…すっ





『すきっ!?』



びっくりしすぎて立ち上がってしまった


「うん。」


あまりにすんなり返事される


『い、い、いつから?!』


「千鶴ちゃんが食堂で熱弁してくれた時から気になり始めて、話してて面白いって思ってた。」


『そ、それは勘違いとか…じゃ?』


「ないよ。だって、翔と名前呼びあったりとか今日のこととか本当にムカついたんだからね。」


だって、、、


環くんは女嫌いって…


「千鶴ちゃんは他の子とは違うというか、そういうのどうでもいいくらい、惹かれてるんだと思う。」


真っ直ぐに投げられた気持ち。


私は…


『…。』


「千鶴ちゃんは迷惑かもしれないけど」