恋愛漫画に憧れちゃダメですか?



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あれからというもの、私たちが名前で呼び合う仲になったことを知った女子社員(主に楓ちゃん)は私たちが付き合い始めたんだと勘違いをして、沈んでいた。

弁明しようとしたけど、

「面倒くさいし、ちょうどいいから」



環くんに停められた。

環くんは私と噂がたっても気にしないのかな…

少し嬉しいような複雑な気持ちがあったが、

まぁ、本人が気にしてないようだから

私も気にしないことにした。

そんな中、畑中係長から思わぬ発言を受ける。

「あ、寺島くんには言ったんだけど、高梨さんに言ってなかった。私、展示会に参加することになったから、1週間だけ中島係長に仕事任せてるから、何かあったら中島係長に聞いてね。」

『はい。わかりました。』

中島係長…?

たしか、1か月前に移動してきて、営業を担当してる人だよね。

どんな人か把握してないけど、顔くらいはわかるので、大丈夫だろう。

「中島係長に、指示を仰ぐように」

と畑中係長に言われたまま、次の日からは中島係長へ資料を届けに行くようになった。

中島係長は40代後半のThe中年オヤジって感じ。

まぁ、優しそうだから安心かな

それから、環くんは相も変わらず本社会議に資料作成に忙しそうだが、3日間は会議へ没頭するように中島係長から指示されたと嘆いていた。

『中島係長、資料入力終わりました。』

「あ、ああ。悪いが、この資料もお願いするよ」

そう言って渡されたのは大量のファイルの山

くそ、これはいじめじゃないのか。

畑中係長は自分でやれる分はやっていたので、恵まれていたなと実感した。

『わかりました。』

これは、残業コースかな。

この頃は残業を無くそうと会社の方針でなってきているが、浸透はしていない。

ま、これくらいたまにはいいか。

そう思い、パソコンに向き合う。