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あれから2時間後
『やっぱり佐々木先生の新刊いいよね!』
「うわー、まさか千鶴さんも佐々木先生のファンとか嬉しすぎる」
そう、この2時間の間に私と翔くんはBL漫画の佐々木先生の大ファンであることが判明し、
2人で熱く佐々木先生の本について語っていた。
そして、何気に千鶴さん、翔くんと呼び合う仲にまでなっていた。
「ほんと、こんな意見合うとはな。」
寺島くんは佐々木先生の本を読みながら私たちの会話を聞いていた。
『いやー、なかなか語ったり出来ないからほんと寺島くんに感謝だ』
腐男子と腐女子という前に佐々木先生のファンというのは尊く、貴重なのです。
そうおもっていると、
「…千鶴さんはこんな趣味してる俺が気持ち悪くない?」
翔くんは俯いて泣きそうになっていた。
『え?そんなこと思わないよ?むしろ私も同じ趣味もってるからこういう話ができるの嬉しい』
「でもさ、周りから嫌な目で見られたりもするじゃん?」
そうか、翔くんは職場の人にどう思われてるか不安なんだな。
『そうだね。でも、自分の好きなものなんだから周りがどう思っても関係ないよ。』
きっぱりという。
『それにこうやって同じ趣味を持った仲間に会って話したりしてたら楽しい方が勝っちゃうから嫌な目で見られようが気にしないことにしてる!』
そう。私も高校生の時に友人にバレたことがあった。
でも、その時に嫌な目を向けられたりもする中で
実は私も腐女子なのって言ってくれた人もいて…
その子とは高校を卒業してからも親友でたまにあって熱く語っていたりする。
『私たちの趣味を嫌悪する人もいれば、私たちの趣味を肯定してくれたり、同じ趣味なんだって言ってくれる人もいるんだよ。』
そういうと、
翔くんは元通りの笑顔になって
「そうだよね!うん。俺なんか気にしすぎてた。
ほんとありがとう!千鶴さん。」
そう言ってくれた。
「あれ?でも高梨さん職場では隠してるよね?」
寺島くんはイタズラな笑みを浮かべてる
くっ……
それは…
『それは…職場でわざわざばらすのも変じゃない?それに、分かち合える仲間は少ない方がいいの
』
「え、なんで?」
寺島くんが首を傾げる
『だって、秘密で楽しむのが腐の醍醐味だと思ってるからさ☆』
きらんっと効果音がつきそうなくらい堂々と恥ずかしいことを宣言してしまった
は、恥ずかしい。(今更)
「す、すごい!!千鶴さん!さすが!」
なぜか翔くんは私を賞賛してくれた
一方、寺島くんは
「はははっ、高梨さん最高だわ」
大爆笑。
やめて欲しい。
顔から湯気が出るくらいに恥ずかしい!!
ーーーーーーーー第3章とりあえずおわり。ーー

