「おーい、翔(かける)」
寺島くんが家の中に呼びかける。
すると、
「あ、もしかして、高梨さんですか?」
ひょっこり寺島くんの後ろから出てきたのは、なんとも可愛らしい青年。
『あ、はい!高梨 千鶴です。はじめまして』
私はとっさに挨拶をする。
「あ、はじめまして。寺島 翔です。」
翔くんは寺島くんとは4つ違いというのは聞いていた。でも、見た目年齢は10代だ。
「じゃあ、あがって?」
そういって、寺島くんは私を招き入れる。
『ん?あれ?寺島くんって弟くんと住んでるの?』
「あー、ちがうよ?ここは俺が借りて住んでる。翔は俺たちの会社からは離れたとこに住んでるからこっちに来てもらったの。」
そうか、寺島くんちなのか。
何か緊張…
「なに?緊張してる?」
にやりと私の方を見て笑っている寺島くん。
『してないよ!』
ほんとかなー?といいながらも私の顔を覗き込む。
いや、ほんとこの人距離がちかい…
こんなことされて照れない女はいないだろう
「え!もしかして高梨さんと兄貴って付き合っ…」
『てないよ!?』
全力で否定をしてしまった…
「そんな否定しないでよーっ」
寺島くん…まだカワイイ系を引きずってるようね。そんな口を尖らせても可愛くないから!(嘘)

