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『じゃあそろそろお昼行ってきます。』
「あ、俺も。」
そう言って自然に2人で立ち上がったつもりだったのだが。
「ふーーーん、行ってらっしゃい。」
畑中係長はやはりにやにやしながら私たちを見て手を振る。
もう、この人は。
少し呆れながら寺島くんと目を合わせクスッと笑って事務所を出た。
«食堂»
『なんか畑中係長楽しそうだったね』
「イキイキしてたよね」
そう言いながら、2人で社食を食べる
「そうだ、高梨さん。唐突なんだけど弟に会ってくれないかな?」
『え!?なんで!?』
寺島くんの弟と言うと、腐男子くんのはず。
「実はさ、弟が今働いてる職場の女の子に腐男子だってバレたらしくて」
『え』
それは、、、いかん!
「隠してたけど、携帯の画像とか見られちゃったらしいんだよ。で、今すんごく落ち込んでてさ。」
『そうかぁ…。でもなんで私?』
「俺以外に趣味を理解してくれる存在がいないから、さらに自分を追い詰めちゃってるんだよ。自分の趣味がおかしいんだってさ。」
わかる。なんか、私も高校生の時それあったもんなー。
「だから、高梨さんと弟で趣味を共有し合えばさ、少しは弟が楽になるかなって思って。」
なるほどねー。
それは一理ある。
てか、むしろ私が腐男子である弟さんと共有し、分かち合いたいと思ってしまう
『よし!じゃあ、私会うよ!』
「ほんと!?ありがとう高梨さん。」
そうして、私は寺島くんの弟と日曜日に会うことになったのだった。

