☆好き…わからない

「りく〜」

チュッ…

「えへへ、行ってらっしゃい」


りくの家に泊まることも、もうだいぶ慣れてきた

都内から近くて、最高と言っていいほど、立地の良いこの部屋

朝が早いりくは本当に凄いと思う

昨日寝たのは夜中の‪2時‬
これでも普段の私たちからしたらかなり早い方

「大丈夫かなぁ…」

朝から夕方まで働いて
交通手段が車だから、余計に心配

「全然大丈夫」「気にしなくていい」って言ってくれるけど、やっぱり彼女だもん、悪影響にはなりたくないよ


ブーブー



『今日10時でいい?』

通知に映る文字


『いいよ』

送る文字


手首にはめられたバングルを見つめて、昨日のことを思い出してニヤける私
でもスマホの鏡に写る私は、昨日とは全くと言っていいほど違う顔

純粋に愛した人を目の前にしてる顔と
黒く、影がかかる顔
鏡に映るのは後者

だってスマホの文字の送り手は、りくじゃない



今日は、私の誕生日


りくのカレンダーは、書くスペースなんてない小さなカレンダー
それなのに、大きく黒で囲って、「ゆうなの誕生日!」って
アンバランスな文字を見て、思わず笑っちゃうあたり、ちゃんと好きだと思うんだけどな