茉衣と遥紀の結婚式の前日。茉衣に悪阻が始まる。

「う…!?」

洗面所に走り、吐く。

「…何で、結婚式の前日から始まるの?」

何度も吐き出す。

「うぅ…!?」

少し緩和されたら。ベビーカーに眠っているハルカの髪を撫でて、

「ハルカ、明日どうなるのかなぁ。ハルカの弟か妹だよ。お兄ちゃん、どうかぐずらないで?」

茉衣はお腹をさすって、

「…どうか、悪阻がひどくならないで…朝から、終わって家に着くまででいいから、守って?」


「ただいま。」

一足早く、遥紀が帰って来る。

「う…。」

洗面所で吐いている茉衣、遥紀は茉衣を抱き寄せて、

「悪阻だね。」

茉衣は、

「お…お帰りなさい。」
「ただいま。」
「…ごめんね、結婚式の前日に悪阻が始まるなんて…。」
「そうさせたのはオレだ。」
「…ハルカを…。淋しがってぐずっちゃう。」
「うん、わかった。」

ちゅっ。
頬にキス。

「私もすぐに合流するわ。」


ハルカのところへ行く遥紀。
抱く。

「ただいまハルカ。」

抱き上げれたハルカはニコニコ。目をぱちくりと開けて、甘えているようだ。

「よしよし、おとなしくしてたか?ママのおちちも飲んで元気か?もうすぐ大好きな茉莉お姉サマが帰って来るからね。本当かわいいなぁ☆」


「ただいま!」

茉莉が帰って来る。

「ハルカは〜?」

ルンルン。
茉莉は茉衣の異変に気付く。
吐いている茉衣を心配そうにハルカを抱いた遥紀が寄り添っている。

「ママ!?」
「…大丈夫よ。ハルカの時も少しあったから。…今回程ひどくないけど。」
「…でも…血だらけだよ。」
「大丈夫、いつか茉莉もわかるわ。苦しんでも。赤ちゃんの笑顔見ると幸せなの。」

茉莉は気遣う。

「ママ、休んでて?」
「…茉莉。」

茉莉はハルカにかまっている。ハルカは笑顔。
遥紀は床に横になっている茉衣に寄り添って、

「茉莉はしっかり者だね。優しい娘だ。」

ちゅっ。
キスをする。
「…ダメ、茉莉に見られる。」
「茉莉はハルカに夢中だ。」
「…。」
「結婚式大丈夫かな?」
「…わからない。」
「お腹さすって、この子に語りかけてるけ