いちゃいちゃ。

「告白されてたね。」
「…遥紀こそこの前告白されてた。」

茉衣はむくれる。

「かわいい☆」
「…バカにして。」

遥紀は茉衣をきゅっと抱き寄せ、キス。

「茉衣しか見れない。」
「本当?」

上目使いで見つめる。
ちゅっ。

「そこがかわいいんだ。」


それからも先輩や後輩に互いに告白されるとお互いつつきあってラブラブ。だからこそ、結婚を約束する程の二人が離される辛さは。トラウマとなっていた。


大学時代の遥紀、
いつものように部屋にこもり、茉衣の写真を眺めていた。寂しくて苦しくて。

「茉衣…。」

切ない表情。

卒業アルバム。

”遥紀、大好きだよ。私の事忘れないで?風化はさせたくない。いつか笑って話せるまで、本当は遥紀と結婚して、遥紀のかわいい子供が欲しかった。”

と書かれたメッセージ。

「…忘れられるかよ。好きだ。愛してる。…オレだって茉衣と結婚して、茉衣との子供が欲しい!…茉衣が他の男とセックスして子供を産むなんて考えるだけで吐き気がする。」


その頃、二人を繋ぎ合わせる命が誕生していた。


遥紀は自宅アパートの部屋の鍵を開け、靴を脱ぎ、ソファーに荷物を置き、ぐったり。
29の独身男にしては若々しい服装で、ロングトレンチを脱ぐと、ニットのセーターにデニムのパンツ。

「…この日がくると思ってた…茉衣が結婚してたなんて…諦められる?…できない。大人げない…愛した人の幸せを祈ってたはずなのにいざとなるとできないなんて…子供がいるんだぞ…はぁ。」

「う…吐き気がする。」

流し台に向かう。

「茉衣…忘れよう。幸せならいいんだ…それでいい…何て心が狭いのだろう。」


ベッドにくるまる。

「…オレの娘…茉衣の…嘘の理由…遺伝子。…何故こんな大切な真実に気付かなかった?…オレのカオを遺伝した娘…愛しい。愛してる。罪を犯した…取り返しのつかない…茉衣に生ませて…捨ててしまった。茉衣に憾まれてもしかたない…今更茉衣を愛してるなんて。…チャンスが欲しい…。」

遥紀は腕を包丁でバツを刻む。
血の滴る腕を舐めて、

「茉衣の気持ちが知りたい。賭ける。」


「茉衣にキモチが残ってる。…オレは、茉衣と娘を守