茉衣と遥紀は土曜日、遥紀の実家へ行く。
遥紀の父は、可憐な茉莉の虜である。

「茉莉おいで。かわいい。じいじは嬉しいよ。」


父は、ハルカを抱いて、あやしてる。

「茉衣ちゃん、カラダは大丈夫かな?」

茉衣は遥紀と見つめ合って、

「はい。今は何ともないです。もう少ししましたらきっと悪阻がくると思います。」
「体調には気をつけるように。」
「ありがとうございます。」

兄は遥紀に、

「お前どれだけ嫉妬してるんだ。ふぅ…赤ちゃん作る程抱くなんて大人げない。」
「…騙した兄さんのが悪い。」
「…するわけないだろ。」

遥紀は呆れる。
父は、茉莉にまたお小遣い。
茉衣は悪く思い、

「お義父様、いつもいつもそんな…。」
「いいのだ。私は遥紀に大事な宝物を捨てさせた悪いお祖父さんだ。茉衣ちゃんの家族を恨ませて、苦しめて、遥紀を絶望に落とし、気付いた遥紀を悩ませて、駆け落ちさせるまで追い詰めて、見つけては憎悪にくれて、孫を眠らさせて、ハルカを宿した茉衣ちゃんのカラダをずたずたにしてしまった。全ての責任は私だ。私が無理矢理殴って、別れさせなければこんな思いをさせなかった。」
「…。」
「お父様やお母様やご兄弟にいくら謝っても消えない過ちであろう。茉衣ちゃんは大事な三田家のお嫁さんだ。」
「…ありがとうございます。」

茉衣は別室で授乳している。
麻紀と、その妹はまじまじ見ている。

「おいしそうだなぁ。」
「ふふふ、ハルカのいい栄養源だからね。」

ハルカは、飲み終えると、

「げぶっ。」

少しでてくる。

「飲み過ぎ〜。」

茉衣はハルカの背中をなでなでして、

「麻紀ちゃんもそうだったのよ。ハルカ、おいしかったね?」

ハルカはにこにこ。


茉莉は遥紀と一緒に買い物。

「ママに何か買って行こうよ。」
「そうだね。赤ちゃんのいるママに優しくしないとね。」
「ねぇパパ。」
「ん?」
「付き合ってた頃のママはどんなだった?」
「かわいかったよ。好きで好きでたまらなかった。」


高校でも遥紀と茉衣はラブラブ。
茉衣は告白される。

「ありがとう。でも好きな人がいるの。ごめんなさい。」

それを陰でたまたま見ていた遥紀。
二人きり。