持ちは?」
「…お引き取りください。近所の人に迷惑がかかります。娘も、生まれたばかりの息子もいます、どうか静かに見守っていて下さい…。」

遥紀は茉衣の所へ来て、きゅっと抱き寄せる。

「ごめん…オレのせいだ。」


記者がいると、

「すいません…。」

記者は、

「すぐに代わります。」

と、代わる。

ベル。

恐る恐る出る。

「坪倉です。」
「真治くん?」

「ママ、」

甘える声が聞こえる。

「沙衣に代わって?」
「いいですよ。さぁ、お義姉さんだ。」
「お姉ちゃん?」
「…そこに変な人いるでしょ?」
「うん。」
「…遥紀が話したから記者が記事を狙ってるの。」
「だと思った。話をしに来たの。」
「…鍵開けるから沙衣閉めるのよ。」
「はい。」

ロック解除、

沙衣は茉衣に言われた通り、入る。そして部屋へ。

「沙衣…。」

茉衣は沙衣を抱きしめる。
震えている。

「…お姉ちゃん、わかっているよね。遥紀さん、話す事にどれだけ勇気がいったことか。」
「…わかっているわ。」
「…。」
「遥紀を信じてる。」
「お姉ちゃん。…赤ちゃんね。必死に生きているって。まだ少し弱いけれど頑張ってるって。私、信じている。赤ちゃんが元気に生まれてくること。シンと郁と一緒に。」
「ね?」
「うん。ぼくもママの為にがんばるんだ。」
「郁エライエライ。」

茉衣が言うと、

「へへっ。お姉たんに誉められた。」

郁は真治に抱かれている。
何故お姉たんなのか。当時未婚の母だった茉衣に、いくら茉莉がいても伯母さんはきついだろう…としつけ、あえてそのまま。

「ねぇ、パパ、赤ちゃん見たいな。」

遥紀は、

「寝てるけどいい?」

と言う、
真治は郁を抱き、ハルカが眠るベビーベッドへ。
ハルカは眠っている。

「パパ、赤ちゃんかわいい。眠ってるね。」
「そうだね。郁もあったんだよ。」
「本当に?」
「じゃあ郁は何歳?3さ〜い。」

茉衣と沙衣は笑う。