カオするんだよなぁ、茉莉ちゃん。」

茉莉は遥紀に甘えてる。

「パパ、どうだったの?」
「楽しかったよ。パパもママも久しぶりで、よかった。」
「茉莉もね、ハルカと仲良ししてたの。」
「いい子だね。」
「だって茉莉の弟だよ。」
「そうだね。」

弟は、

(…勝てないのか。)

思う。

遥紀は弟の視線を感じる。

(…恨まれてる。やはり私は罪を犯した。茉衣と茉莉を捨てた男だ…。お義父さんも怒ってる。当然の報いだけど心が痛い。茉衣の家族も狂わせて、苦しんでいる…。)


家、
茉莉の添い寝のおねだり、遥紀は優しく、きゅっと抱いてくれる。茉莉は安心して眠る。
電話、茉衣は出る。

「沙衣?どうしたの?」
「…夜遅くにごめんなさい。お姉さん…私、妊娠してるの。」
「え?」
「…でもね、危険なの。あまり育ってないみたい。」
「…そんな。」

遥紀は電話で喋っている茉衣を見て、近付く。

(何だ?)

「沙衣…。」
「大丈夫。受け止めているわ。礼衣には言ったわ。危ないまでは言わなかったけど、礼衣、恨んでいたわ。」
「…遥紀もわかっているわ。」
「悪くないから。お姉さんが好きな人だから。」
「…沙衣、ごめんなさい。あなたがかばってくれているのね。」
「悪い人じゃない。お姉さんの事くらいわかってる…う。」
「沙衣!?」
「…悪阻は少しあるんだけどね。確かに弱い気がする。」
「ゆっくり休みなさい。赤ちゃんをいたわって。行くわ。沙衣に会いに行く。だから、その時には沙衣の笑顔が見たい。」
「ありがとう、お姉ちゃん。」
「ずっと妹だからね。」
「はい。」

切る。


「…そんな。」

茉衣は床に膝をつく。
遥紀は茉衣を抱き寄せて。

「遥紀?」
「聞いていた。妹ちゃんが妊娠したのだろ?」
「…でも、思うように育ってないみたいなの。」
「…大丈夫だ。」
「私ね、沙衣の役に立てるかな?たくさん迷惑かけたから。いきなり妊娠して、出ていって、茉莉を産んで、寂しい思いをさせた。」
「大丈夫だ、役に立てる。助ける事できるよ。」
「…遥紀。」
「オレも責任果たすから。お義父さんやお義母さん、妹ちゃんと弟君。恨まれて当然な事をした。」

キス。

遥紀大好きだよ。茉