クローバー

われるだろ。僕と聖華の関係が知れるなり、恰好の餌食だ。だから何も言わなかった。ごめん。でもやっと言える。」

礼衣は聖華に小さな箱を出し、

「学生だからあまりお金がなくていいものじゃないけど…。」

指輪だ。

「え…。」

聖華もびっくり。

「誓うよ。一生一緒にいて欲しい。」
「…桔華が見てる。これで約束を破れない。証人がいる。」
「…。」

聖華は涙。

「いつか子供も欲しい。」
「…うん、私も礼衣との赤ちゃんが欲しい。」

弟は聖華に、

「姉ちゃんにやられた。でも、朱華と栄華を知らないのなら言ってないんだね。」
「あ…。」
「僕は先輩が姉ちゃんの彼氏と知らなかったから言わなかったし。それに、あの双子の相手をしてたら疲れる。僕は姉ちゃん寄りのサイドだし、姉ちゃんが色気あるとか男いるとか付き合えとかは一人の意見だし。」
「何が?」

礼衣が尋ねると聖華は、

「…礼衣、ごめん。…あの中にまだ弟がいるの…。」
「は?」
「…親が、部活をしないで荒れないようにと。兄弟揃って同じ高校で同じ部活の方がお互い話し合えるのでそうしなさいって。トランペットに双子いて、…それが弟。」
「え…確かに瓜二つの男の子がいたっけ?」
「お、と、う、と。」
「えぇ〜!?」
「ごめんなさい。」
「いいよ、気付かなかったオレも悪いし。」
「ねえ、姉ちゃんはお嫁に行くんでしょ?」
「う、うん。礼衣が長男だし両親と同居を承知で付き合ったもの。」
「僕に任せておいて?松岡家は僕が継ぐ。姉ちゃんは安心して行けばいい。僕も惚れたいい男。ただ、気難しすぎて姉ちゃんにDVしたら許さない。」
「しないよ。聖華なんてかわいい人にDVしたら苦しい。姉想いな弟は好きだよ。姉が男にひどい目にあって妊娠させられてポイ捨てされてるから。そして生まれた姪っ子。だから君達に同じ思いにさせたくない。」
「…。」
「挨拶行くんですよね。」
「うん。」

聖華は、

「日曜日にしようかなって。」
「分かった、開けておくね。双子にも言っておく。何でかは黙っておくね。まあ、今日、僕を先輩がさらったことで何かあると感づいているとは思うよ。」
「…。」


礼衣は聖華と弟を送る。聖華は助手席にいる。弟は、

「キスしないの?