クローバー

横顔であまり見えない。少しわかるのは、茉莉に似た瞳、眉、唇、鼻すじ、輪郭。

「茉莉に似てる…。茉莉は父親似なのね。」

沙衣はペンダントをポケットに戻す。

「お姉ちゃん…。」


「ただいま。」

両親が帰ってくる。

「遅くなってごめんね、今日はみんな来るから何にしようか迷ってたの。」

両親は礼衣の横にいる聖華に気付く。

「あら?」

聖華は、

「初めまして、松岡聖華といいます。」

礼衣は、

「結婚したい。まだお互い学生だから卒業したら夫婦になりたい。婚約したい。」
「礼衣…。」

父は、

「うちの礼衣は感情が激しい。それでもいいのかな?」
「はい。それも礼衣さんの魅力です。」

母は真治に、

「あら、真治君、茉莉と茉衣と沙衣はどうしたの?」
「…沙衣はお義姉さんを看ています。お義姉さんの精神が不安定です。ゆっくりさせて下さい。」
「…わかったわ。今日はゆっくりしていってね。」
「…はい。」
「ごめんね、礼衣のお姉さんがね…あの…シングルマザーなの。周りからは正直虐げられたわ。でもあの子が選んだ道。それに生まれた孫、かわいくて仕方がない。私は茉衣を見守る限りです。責めてどうなることもない。」

聖華は、

「私も尊重します。それには個々の理由があって、決して望まれてないなんてないです。愛されて生まれる。」

真治は、

「このコまだ子供なのにしっかりしてる。礼衣君、いい人見つけたね。」


聖華は家に帰る。弟がいる。

「姉さんどこ行ってたんだよ。」
「さあね。」
「さあねって…。」

部屋に向かう聖華。

「まさか男か?」

部屋の中。

「男なんだな!前に言ったじゃん、別れろって。」
「別れる気なんてありません。桔華に左右されてたまりますか!」

いらっ。

弟は聖華を押し倒して、

「真田先輩を誘惑しろって言ったはずだ。裸になって迫れって。犯されたいの?」
「したいならすればいいわ。」
「姉さん割に胸でかいし。まさか男に揉まれて!?」
「そうよ、何か問題ある!…明日部室に来なさい。話があるわ。桔華は引退して最近は行く時間が短いけど。」
「何?」
「明日になったらわかるわ。」
「…わかったよ。」