次の日、真治が迎えに来る。

「お兄さんおはようございます。」

茉莉は言う。真治は、

「ごめんね茉莉ちゃん。大事なパパ連れて行く。」
「お兄さんならいいよ。ねぇ、ハルカ。」

にこにこ。


「昨日はどうでした?」

真治は聞くと、

「恩師の家に行きました。仲の良い夫婦だ。高校の1年の担任と2年の担任が結婚してね。」
「付き合ってたんですね?」
「みたい、まさか、茉衣の事で相談した時の前日に抱き合ってたなんて…。」
「大人は冷酷ですか?」
「仕方ないよ。結婚するくらい愛し合ってたのだから。」
「できちゃった婚です?」
「婚約中にできてしまったのだから入籍は早まっただけで。きっと早く会いたかったのかな?って。真治君こそ倫ちゃんは?」
「かわいくてしかたないよ。郁がよしよしすると笑うから郁も何度もするんです。沙衣もベロンベロンです。そういえぱ礼衣君が暇があれば来てと言ってましたよ。」
「あ…最近行ってない。」
「大和君生まれてからいろいろと話したいみたい。」
「嫌われてるのでは?」
「大和君が生まれて、だいぶ丸くなってますよ。孫に会いたいおじいさんやおばあさんの望みも聞いて下さい。」
「お義父さん…。」
「お義父さんは仕方ないと渋々認めてますよ。また行きましょう。」
「はい。」


その日は早く終わったので遥紀達は茉衣の実家へ。

「お義姉さんいらっしゃい。」

弟の嫁が迎える。

「何しに来た?」

茉衣の父は遥紀を睨むが、茉莉らを見ると顔はすっかりおじいさん。
ハルカは父の所までてくてくと歩く。
父は、

「ハルカ〜よく来たなぁ。」

抱く。

「ん?嬉しいのか?じいじも嬉しいぞ。」
「パパ…。」

礼衣は遥紀を呼んで、

「話しがある。」

と言う。


「大和に兄弟という喜びをあげたいんだ。」
「それはいいことだね。」
「あと、あなたの事許した訳ではないから。嫌うと姉さんに茉莉に怒られるから仕方なく。見てたら 悪い男じゃないし。本当僕はばかだな。騙される。」

きゅっ。

遥紀は礼衣をハグして、

「兄しかいなかったから弟ができて本当に嬉しかった。茉衣を捨てた身、簡単に認めてもらえることなんてない。」
「…そんなこと言われ